結婚して、ドイツに来てから人と自分を比べるようになった。
実は、私は、けなされて育ってきたので、人より自分が劣っているのが当たり前だと思っていたし、人に勝てるものも特になかったので、誰かがラッキーでもそれは他人事でしかなかった。
でも、なぜか結婚してから、人と自分を比べるようになった。
私は20代前半は結婚願望があったけど、そのあとは全くなくて、恋には悩んだけど働いて、習い事や語学勉強したり、日々楽しかった。
人から見ても楽しそうと思われるくらいに、独身ライフを楽しんでいた。
よく聞く、結婚している友人を羨むこともなく、結婚に焦ることもなかった。
それでも、結婚はいつかしたいと思っていたし、婚活パーティーに行ってみたこともあった。
20代中ごろになると仕事が楽しくて仕方なくて、誰かと付き合っても、結婚という言葉が出てくると、フェードアウトしていく感じで、いつかはしたいとは思うけど、今はしたくないという完全に自己中な理由で、さようならしてきた。
特に30代前半はモテキでもあったし、かなり幸せに日々キラキラ過ごしていたと思う。(笑)
友達は、結婚している人もしていない人もいたけど、結婚している人の悩みを聞いてもそのときは全然想像ができなくて、あまりいいアドバイスもできなかった気がする。
そんな私だったけど、結婚して、ドイツに来てから周りと自分を比べる亡者となり、当時みんなが抱えていた悩みがわかるようになった。お金、プライド、子供。同窓会で宝石で身を飾ることさえ理解できる心中になった。
ドイツに来てからも、いろいろな人がいて、でも、みんな少なからず、それぞれが何かしらの悩みを抱えていると思う。
それはどの国にいても同じはずなのに、ドイツに来てからは、どうしても人と自分を比べてしまう。そもそも、結婚したことによって人と比べてしまうならば、独身が私には向いているのかもしれない。
あの人は、あんなにお金持ちだ。あの人の旦那さんは素敵で子供もいる。あの人はまだドイツ生活が長くないのに、ドイツ語がうまい。あの人は英語もできて、いい会社に勤めている。
比べてばかり。
どうしてこんなにも、人と自分を比べるようになってしまったのだろうか。
自由に楽しく生きていた自分はどこに行ってしまったのだろう。
でもその、人と比べて嫉妬する心はさらに、マイナスを招いて、もう若くないから〇〇できない。なんてことも思い始めて、だんだんと自分の殻に閉じこもるようになっていった。
人と自分を比べても仕方がない。自分は自分というけれど、自分がなりたい自分ではない。自分は自分と、いくら言い聞かせても、どうしても比べてしまって落ち込んでしまう。
特にドイツ語に対しては比べて落ち込むことが多い。
割り切れれば、いいのだけど、初めに書いた、自信がない自分が、さらに自分を苦しめるようなっていった。
では、こうなってしまった場合、人はどうしたら、人と比べる自分、自分に落ち込む自分、嫉妬する自分から逃れることができるのだろうかと、長い間、考えていた。
こんなふうに、考えるマイナスな自分が悪いんだ。
とか、クヨクヨしまくっていた。
でもふと思った。
人と比べること、人に嫉妬することができるようになったってことは、向上心が芽生えたということではないだろうか?
今まで何をやっても人には勝てないから、負けちゃう自分をキャラでカバーしてきたけど、例えばお金持ちになりたいとか、ドイツ語が上手くなりたいとか、英語が聞くだけじゃなくて、ペラペラ話せるようになりたいとか、今まで自分が自分に対してあきらめてきていた、ダメな自分思考から卒業するときがきたのかもしれない。
人と比べることは、あまりいいことではないけど、人と比べてしまう自分を分析してみたら、自ずとなりたい自分が見えてきた気がする。
あー。私、悔しいと思ったんだ。
とはじめて、負けて悔しいと思う気持ちが自分にもあることを知った。
そう思ったら、嫉妬する気持ちも悪くはないかもしれない。
もちろん、それを相手に向けて、意地悪したり嫌味言ったりはダメです。
でも私にとって大事なのは、羨ましいと思える自分がいたということ。
私も幸せになっていいんだよ。
そのために、どんな自分になりたいの?何をしたらいいの?
ここ数年考えていた答えが見え始めた気がした。
自分を変える第一歩なのかもしれないと思ったのでした。
それではciao!!